日本グリーンツーリズム・ネットワークセンターの総会

昨日、日本グリンツーリズム・ネットワークセンターの第7回通常総会が東京の東洋大学で行われました。


物語の話は朝の電車に乗る前から始まるのですが…。長くなるので肝心なところだけ先にお話ししますね。


通常総会は淡々と議事が進み、今年度の総括と決算・次年度の活動方針と予算などが決定されました。日本グリーンツーリズムというだけあってやはり国からの委託事業や各地域のコーディネートなどが主な活動になっているのですね。特にコーディネートの機能が活発だなととても感心しました。


全国各地で取り組みやサービスに差があり、成功例と発展途上例があると感じた。ネットワークセンターとしての役割は地方と都市部を結び付け、全国で取り組んでいる活動家の交流を行うことでお互いの刺激と相乗効果・連携・協働・・・などなどプラスの可能性(アイディア)は無限に広がっていく大事な位置づけだ。


この機能がしっかり連携出来ていることは私たちにとって明るい材料ですね☆


総会後は記念シンポジウムとしてこのセンターの代表理事であり東洋大学社会学部長の青山辰司氏の基調報告と問題提起「転換期のグリーンツーリズム~これまでの実践の質的向上をどう図るか」についてわかりやすいお話を聞かせていただきました。


キーワードはつまり!「転換期にあるグリーンツーリズム」ということです。

これまでの実績の蓄積によって繰り返されてきた改善や事業の多様化・個性化、観光から体験型への転換、多世代を対応にした内容の転換、「農」への関心の広がりなど現状の中で肌で感じられるようになり、これまでの評価に加えて「品質とは何か?」について考えなくてはいけなくなってきた。

そこで言いたいのは!その土地の自然や文化に加えてそこに住む人とその暮らしに交流を求め、「滞在型の余暇活動」つまり農村で楽しむゆとりある休暇を推進していくことがこれから重要であるということではないだろうかということ。

また、いまだ変わらないものもある。

・長期休暇制度の未浸透
・「安金短」観光のムーブメント
・行政支援の非連続性
・中間支援組織の非展開
などなどである。政府はエコ・グリーン・ヘルスの3要素を盛り込んだニューグリーンツーリズムという概念を新たに謳っているというが、まだまだ勉強不足な私には難しい話です・・・。

先ほども少しふれたがグリーンツーリズムという概念にも多様化がみられる。

観光振興に始まり…
・農村での交流から生まれる地域振興
・農村独自のローカルな伝承料理やお祭りへの誘客による文化振興
・子供たちが自然に親しむ機会を生む教育体験
・有機野菜や地元新鮮な食材を食べ、里山を歩いて散策することでの健康増進
・大自然や野生動物から感じる安らぎや癒しによって自己発見の場につながる人間福祉

などである。


グリーンツーリズムは世界的な取り組みとして知られ、このお話の中でも韓国やイギリスで東洋大学の学生が研修を行ってきた報告が紹介されていた。
その中でも「日本型」と呼ばれる類型がある。
・社会的自己実現型GT
   (農家民宿、農家レストランなど)
・労働貢献型GT
   (ワークステイ、ボランティアなど)
・学習型GT
   (ツーリズム大学など)
・教育体験型GT
   (教育体験旅行、修学旅行、子供交流イベントなど)
・「人間福祉」型GT
   (保険・医療・セラピーなど)
である。

現状をまとめると
・日本型のGTの意義
・量から質へ
・運動からビジネスへ
・点から線へ、そして面へ
・行政支援から自立的ネットワークへ
・体験交流から体感・協働・協発へ

ということのなる。見て分かるとおりにまだまだクリアしなくてはならない問題は山積していということ。


ここで観光とツーリズムの違いについてふれると・・・

観光は不特定多数の人を一過性の短期滞在で利便性や快適性を重要としながら利益を求めるというものでその効果もわかりやすく集中している。

それに対してツーリズムは特定少数の人を持続性のある長期滞在を目的に利便性や快適性というよりは交流や「そこで感じてもらえるもの」を重要としながら利益よりもその取り組みから地域が元気になることを求めるものでその効果は多元的に分散している。

地域の中でそれぞれの皆さんが「身の丈」の実践から生まれる協力と連携によって「おもてなし」のが伝わり、故郷に帰ってきたかのような日常の暮らしから感じる素朴な幸福感を誰もがが味わうことができる。

金儲けではなく儲けである。


これからのグリーンツーリズムのテーマとなっていくことは・・・
・次世代への継承と人材育成
・国際化
・地域資源の更なる掘り起しと創造
・品質の評価や活動の支援、保証
・協働・協発的な発展
・中間支援機構の確立とネットワーク
・情報発信と顧客管理
・人間福祉、「幸せづくり」
などなどである。

そこで重要になってくるのが地域コーディネータの役割である。
・地域と行政の、民間企業との調整・連携機能
・実践者のネットワーク化(地域内・地域外)
・人材発掘と人材育成
・インストラクターやファシリテーターとの連携
・情報の受け皿の確立と発信の充実
・マーケティングと交流内容の適正化・調整

こうした役割がこれからのグリーンツーリズム事業において必要と・・・


長くなりましたがそんな話をとても分かりやすく話してくださった青山教授に感謝です。


そして私は見えないプレッシャーに押しつぶされそうになりながらこのお話を聞かせていただいたことは言うまでもありません・・・。

そして、ちいさく「ガンバロウ」とささやきました。
by gt-imadate | 2011-05-22 08:00 | その他


福井県越前市で展開しているグリーン・ツーリズム活動。この地方で行われる行事や活動状況、読者の方々のご意見など掲載していきます。


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